柴野貞夫時事問題研究会 本文へジャンプ

(韓国 ハンギョレ紙 10月5日付)社説


 

保守勢力の妨害行動を警戒する!!

 

 

ノ・ムヒョン大統領とキム・ジョンイル国防委員長の“10・4共同宣言”に対する、ハンナラ党の反応は混乱状態だ。党の公式立場は、一部問題に遺憾を表示しながらも、“韓半島の平和共栄に相当な進展をもたらしたと評価する。”と言うものだ。

 

イ・ミョンパク(李明白)大統領候補も、“(南北首脳が)次期政府でも会わなければならない”と、肯定的評価を下した。しかし、一部の党役員らの反応は、違う。“経済協力に偽装された一方的支援”だとか“ひどい不渡り手形”、であると言った貶めが出てきた。

 

故意に、裂け目を作ろうとするのではないか、と言う疑心まで感じる保守性向の言論の主張そのままだ。ハンナラ党の、こんな二重的姿は、南北関係と国際情勢の進展についていく内部の指導さえ我を張って反対する、党の内外の一部強硬論と無関係ではない。

 

ハンナラ党は、去る7月、相互主義の原則の一部修正、北韓体制の認定などを盛った、“韓半島平和ビジョン”を発表したが、保守を自認する党内外の反対勢力は、これを党論として決めているのに、相変わらず、反対している。

 

 

ハンナラ党の平和ビジョンには、ソウル~シネジュ(新義州)高速道路建設支援、相互経済代表部設置、南北総理級会談の定例化など、今回の共同宣言よりもっと先立った、内容も盛っている。党内のこのような変化の要求まで、必死で拒否する彼らからは、“元気な保守”の姿を探しにくい。

 

今回の共同宣言に対しても、真実に目を閉じた反対論が横行する。一部には今回の宣言が、北核問題を無視したと非難するが、宣言第四項は韓半島非核化努力を明示している。事実、北の核廃棄が首脳会議の主議題でこそなければならぬと言う、一部保守勢力の主張自体が、南北首脳会談の役割と意義、六者会談の枠を通した北核問題解決という、国際的現実を無視するものであると言うことが出来る。


ソヘ(西海、訳注・黄海のこと)北方境界線(NLL)無力化の主張も一緒だ。ソヘ(西海)の平和の為に、北方境界線を維持せねばならないのに、ソヘ平和協力特別地帯の設置の是非を言うのは、論理的に当らない。共同宣言の実践の為の費用問題は、一つ一つ、よく明らかにせねばならない。しかし、劣悪な、北韓内の社会基盤施設の拡充は、経済協力の進展のために必要な先行投資の概念であって、一方的支援だと言うのはあたらない。

 

一部では、今回の宣言を、次の政権で再検討せねば成らないとまで、主張する。断絶と中断があってはならない南北関係では、無責任な主張だ。ハンナラ党はこんな主張に更に足首を掴まれないようにせねばならない。(訳 柴野貞夫)